油揚げ

私のような貧乏学生は食事にバリエーションをつけられない。実家からなんとか送ってもらう米と、まとめて安いスパゲティの繰り返しなのだ。
ここで内田百輭先生の著作「御馳走帖」のなかの「油揚」という話に出てきた油揚げにお世話になるときがある。毎日食べているわけではないが単調な食生活に飽きた時にはたまらない。
油揚げを焼いて、ややパリパリとし始め湯気が強くなってきたら皿にあげる。そして醤油をたらすと、じゅわじゅわと非常に食欲をそそる音と香りを発する。これにがぶりとかぶりつくのだ。少し歯触りが気になるが、これが実に御飯に合う。私は未成年だからまだ飲めないことになってるのだが、お酒のつまみにもかなり合うという話だ。