黒川芽以「問題のない私たち」 佐藤裕之撮影 ぶんか社 ISBN:4821125978

書店では見かけるけど、栗田梨子の「RIKO-PIN」とよく間違えた。並べると全然違うんだけどぱっと見ごっちゃにしてしまう。黒川芽以はこれまでの写真集がことごとくよかった。むちむちというかごついと言わんばかりの生々しい体つきをいかにソフトにみせるか本気で格闘している感じが大好きだ。もちろんめいてぃ〜自身はそこに意識的であることは見せない、どちらかと言えば女優のスタンスに立とうと(売ろうと)しているから、写真集ぐらいは可愛さを炸裂させようとタイトロープダンスのようなぐらぐら感がたまらない。それでもこの写真集は購入を見合わせた。映画連動の写真集ってのが私のきらいなライブ写真集やメイキング写真集の臭いがしたからだ。
でも「スピリッツ」の関連グラビアを見て即購入。その足で書泉で写真集も購入。小児体型ともぽっちゃり系ともごつい系ともいいづらい、すさまじく平凡なからだ。一般人ぽさ、よく言えば普通っぽさが洗練されている。そりゃ顔はそんじょそこらにはいないくらいの可愛さなんだけど、からだの方はこれという売りがとにかく無い。だからこの子が水着になったり普段着な服を着たときに、異常に生々しいんだ。うん、普通っぽさというよりもそこから噴出した生々しさ、黒川芽以のポテンシャルはここにある。ほかのアイドルが同じような生々しさは「ジョゼと虎と魚たち」の池脇千鶴のように素っ裸にならんとムリだ、いや、池脇千鶴も相当な生々しさは携えてるしそれに映画での演技だから生々しさは傑出させられた印象だから、一般アイドルが意図的に出そうというのは無理なんじゃないか。
この写真集は映画「問題のない私たち」のメイキングと、そこに挿入されるように普通のロケグラビアが並ぶ。ロケグラビアの方は完全にアイドル然としている。メイキングの方は過剰なまでに普通の肉感が発揮されている。役柄的にそんなアイドルアイドルじゃなくて演技しているからさらに生々しさは強調される。生々しすぎて、アイドル写真集としてはどうなんだろう、とは思うけれどもそこはアイドル部のグラビアが補填できている。とくに縁側でタオル地タンクトップでやや前かがみになっているカットは近年稀に見る卑怯さだ。顔を写してくれたら前代未聞の卑怯さになっていたのにそこが悔やまれるけど、それでもその辺り一連のカットは身近な(と妄想させられる)肉感がすさまじいポテンシャルをはじけさせている。
私は舞うスカートフェチなので、屋上でフェンスを越えようとしてスカートが巻き上がってるカットと、振り返る流れでスカートが舞って上がっているカットがとんでもなく夢のようです。
あと、東スポのテレビ欄で黒川芽以のDVD「ナツノキヲク」ASIN:B00016ZRQKがとりあげられています。「強いまなざし」とか「吉永小百合後藤久美子にも似た」とかよくわからない評もついていますが、日本を代表する女優になると太鼓判です。毎週だれかが太鼓判押されています。