平田薫「ラスト制服」写真集に見る水着と制服の価値

平田薫のセカンド写真集『卒業』が発売され、即購入。「水着卒業」なんて煽り文句はよくあるが、「ラスト制服」という触れ込みには胡散臭さが無くすがすがしい。一方で写真集自体は、すがすがしさどころの騒ぎではなく、エロスに満ち過ぎる写真集史屈指の出来栄えで、心からありがとうと叫びたい。
「ラスト制服」の名に恥じぬ制服の魅せ方は桁違い。三つ編み+制服ミニスカという組み合わせが比類なきエロスを魅せるとは。お菓子系グラビアでは定番であったりしたけれど、いざ正統派アイドルが魅せてくると力が違う。この一衣装だけでこの写真集を買う価値は見出せた。
そんなところで止まっていないのが『卒業』の異次元ぶりを示す。制服は徐々に着乱れていき、まさに制服を「卒業」するかのごとく、あばら家に身を潜めた制服は脱がされ、水着が現れる。もちろん水着パートの高質は言及するまでも無し。ラストには再び制服に回帰するのだけど、巻末、裏見返しのワンカットでのフトトモ裏の肉感に憑かれてしまい、改めて「ラスト制服」の惜しさを痛感する。
普段なら絶対に思うはずも無いことを思う。水着なんて卒業していいから、制服を脱がないでくれ! 肌露出という観点からいけば、制服より水着の方が優れている。しかしそんな安直な価値基準をど真ん中からブチ抜く制服が、この写真集にはあった。イナフだ!

平田薫写真集『卒業』

平田薫写真集『卒業』

平田薫『卒業』の魅力は寸止めに在り

『卒業』はストーリー仕立てに構成される。制服姿の平田薫に誘われて、グラウンドから体育倉庫へ。体操用マットに寝そべる制服が乱れて、さぁ! と想いに先んじて舞台は海岸へ。ワンピースから白ヒモパンビキニへと脱がれた肢体がよじられた次のページではベージュの水着に着替え。再びワンピースに戻り草原へ寝そべり、方膝立てた体勢を足元から撮るという破天荒かつ正直なカットまで引っ張りながら、制服姿であばら家へ入り込むシーンへ転換。あばら家というシチュエーションで行われることはただひとつ、オンリーワン、制服を脱いでいく平田薫。アンダーは見違うことない下着であり、ブラ姿で今更ながらに脱ぎ捨てられた靴を引き寄せる。下着姿を白く透けるブラウスで隠す平田薫は唐突にソーキソバを口にし、黒ビキニで岩場に立ち、サラシを巻いて祭りに興じる。サラシと言えばほどかれるのが世の常であり、崩れたサラシからはブラが現れ、一足飛んで入浴シーンへ。心が弾む次の瞬間では三度制服へと戻る。陸上ユニフォームで健康的な手足を伸ばしてから私服に着替えマイルームへ。ベッドに横たわる平田薫は花柄のブラ&パンティという下着姿再びであって、これって大丈夫なのかとこちらが申し訳なくなってしまう始末。気持ちが弾けてページをめくるとエンドクレジット。終ったか、と思わせた後の4ページが素晴らしい。「ラスト制服」を凝縮した制服姿4枚。去っていく後姿のフトモモの肉感の素晴らしさは改めてもう一度触れておこう。
いわゆる「パンチラ風」カット、制服スカートからアンダーのビキニが見えてしまうカットは一枚も無い。清純派アイドルの矜持であり、そこまで自制しながらエロスを体現する平田薫と写真集スタッフに頭を下げるしかない。
7月に発売予定のファーストDVDへの期待は高まるばかり。