僕たちはロードスで育った

ロードスという名の島がある。
書店で目的も無く平積みを眺めていたら、実にイナフな本に出くわした。

『僕たちの好きなロードス島戦記』は、設定資料集というかファンブックというか、戦記、外伝、伝説、新・戦記のストーリーとキャラクターをビジュアルと共にまとめあげた、言わば「あらすじ本」。キャラクターの相関図もそれぞれのシリーズでまとめられており、ガイドブック的様相が強い。
僕は小学校のときにロードスのリプレイと出会ったことで、読書の入口に立った。どうしてよりによって「リプレイ」に手を伸ばしたのかは覚えていないけれど、たぶん対話で進める話が好きだったんだろう。RPG好きだったから逆流して巡りあったのかも知れない。サイコロで我流TRPGを作っていたあの日、本格的なTRPGに対峙した。

装丁を見るだけでジワジワ来る。D&D版を『コンプティーク』で読みたかった。僕にとってコンプティークは小学校高学年で出会ったエロゲ袋とじの雑誌だった。
ロードス島戦記』のリプレイ3を読み終わった頃に『スレイヤーズ』第1巻を読んでしまい今に至る。全てはロードスから始まった。
ロードスから始まった読書趣味が、マンガや写真集、小説といった紙媒体の魅力に飛び火し、研究対象としての読書にまで興味が開き、今もなお。僕はロードスで育った。
僕もロードスで育った! という人は、是非立ち読みでも手にとってみてください。気恥ずかしさと共に高揚感を覚えます。素敵だな、と思って。