「僕らにとって批評は必要だ」

「群像」2003年8月号の田中和夫×永江朗×陣野俊史の座談会。永江朗からの影響は前に何度か書いた。陣野俊史は「クイックジャパン」の渋さ知らズレポですっげーと思って…、という以前に本人の授業を受けておりました。授業中、ヨタ話で生徒の反応があまりに悪いのでいじけるように本題に突入するのを再履の私はにやにやしながら見ておりましたごめんなさいごめんなさい。授業中に生徒に流されつづけた様々なコメントに挙がった映画だの雑誌だの本だのを逐一チェックした楽しい一年間だった。とくにフランス映画の影響がでっかい。ちょうどフランスワールドカップのときでサッカーの話をことごとく流されつづけた陣野さん、その恨み節をこの座談会でも披露しております。
この座談会は批評のありかたを探るってとんでもなくでっかい試みなんだけど、そのなかで陣野俊史がイーザーやヤウスの読者論を挙げて、日本では具体的な実践がなされずにかろうじて斉藤美奈子という形で根付いた、といったことを述べていた。…うーん、ちょうど私がやってることなんだよなぁ。