「週刊文春」芥川賞の読み方

芥川賞で騒がれた綿矢りさ蹴りたい背中』、金原ひとみ蛇にピアス』を買ったはいいもののまだ読んでない…、どう読んでいいかわからない…、そんなお父様方に朗報でございます! 我等が直木賞作家阿刀田高先生が「週刊文春」で読み方をレクチャーしてくれているらしいのだ!
阿刀田先生曰く、芥川賞は高いレベルの新人賞なのだから欠点ではなく長所を評価するべき! 将来性だ! とのこと。3ページにわたる文章にもかかわらずふわふわとした印象を受けるのはなぜだろう。
蛇にピアス』を指して、おじさんたちが読むのをしりごみするのはスプリットタンなどのテーマが取り付きにくいからだ、私もそうだ、と正直に告白。読んでいけばいいことが読みとれんだ! みたいな語調。でもちょっと待ってよ、職業作家でも評論家批評家でもない一読者が受け容れにくい「テーマ」を我慢して読まなきゃならんの? 読書ってそんな窮屈なもんじゃないような気がします。「テーマ」って使い方もちょっとずれてる気がします。
また、携帯メールの弊害についても言及しております。ハートマークとか使っちゃ解釈が単一化するでしょ! とのこと。あの〜、携帯メールに解釈多様性もたせちゃまずくないっすか? 論旨は普通の散文を読むときにその流れで想像力を働かせて読むことが難しくなる、とのことのようだ。ふむ、携帯メールをなにやら画一的なものとすでに考えていらっしゃるご様子。そういう立脚点ならそこから単一的な解釈が発生するという阿刀田先生の考察は当然。だいいち、その点において携帯メールって授業中の手紙とそんな違うか? 絵文字とかハートとか、手紙でも使われまくってたぞ。