「レジェンド・オブ・メキシコ」

原題:「ONCE UPON A TIME IN MEXICO」 監督:ロバート・ロドリゲス
初回で観る映画も久しぶりだ。「エル・マリアッチ」、「デスペラード」とギターケースワールドに魅せられた以上、見逃すことはできない。
初回でだいたい客席の半分が埋まる。場所がらかもしれないけど少なめ。まぁ「WASABI」が2日目に客数人というミラクルを起こしたし、叶井俊太郎が「クリミナル」で客ゼロ人という金字塔をうちたてているから、気にしない。2回目待ちの行列も出来ていたし、分散型なんだろう。
これまでの2作品に比べて断然にストーリーは複雑になっているが、あくまでシリーズのなかではというだけで、いかにカッコよくギミックを作動させるかという爽快感は削がれていない。これまで以上に破天荒なギミックが炸裂する。
まだ初日だけあって、ネタバレを防ぐためにあまり言及できないのが残念だけど、予告映像で触れられていたなかでは、はい、ギターケースが火を噴きます。今回は国家規模のストーリーだから軍事兵器も頻出する。突然の空撮もカッコいい一瞬のカットを撮るためだけだったり、妙なインパクトに命を賭けている監督の姿勢が素敵でたまらない。
序盤からとばしまくるアントニオ・バンデラス。これまでほど焦点はあてられていないけれど、やっぱりこのシリーズと言えば、バー。メキシカンな雰囲気は着実に生き残る。ジョニー・デップもやけに強烈なキャラ付けを強いられるCIA捜査官を演じる。Tシャツに「CIA」ってまんま書いてあったのはナイス度胸だ。ウィレム・デフォーのキレた演技はやや抑え気味、それでもスペイン人のクセ役を見事に演じきる。
あからさまな伏線もあからさまに効果をあげる! キャラひとりひとりの扱いがぞんざい過ぎるけれども、そこもまたマリアッチシリーズの魅力!もう、このシリーズはいかにギターケースが頑張るかというギターケースロマンなので、私は大満足。