古井由吉委員は退任されました
「古井由吉委員は第百三十二回を以て退任されました」
上半期芥川龍之介賞受賞作ならびに選評が掲載される待望の9月号が発売されていた。
「文藝春秋」は目次で「二十七歳の新星誕生!」と煽ってはいるが、選評は極めて低調。山田詠美の選評見出しに至っては、「低調!!」という直球ぶり。
「今回の候補作の水準は総じて高いものだとはいえそうにない」(石原慎太郎)
「今回、私はひとつも丸をつけませんでした」(山田詠美)
「今回は全体的に作品の質が低かった」(村上龍)
「今回の候補作には、ぜひとも受賞作にしたいものがなくて残念だった」(河野多恵子)
「今回は候補作七篇、どれも決め手がなく、選考は難航した」(宮本輝)
ということは、今回の選評は逆に苦言だらけで面白いものになってしまった。山田詠美はいつものテンションで、樋口直哉「さよなら アメリカ」へのコメントがわかりやすくグッドジョブ。都知事閣下は作品の題名に怒り心頭のご様子。
毎年恒例の終戦記念日特集もあるし、立川談志と宮藤官九郎の対談もある。クドカンは談志の前でも飄々とできるのか。
最大の目玉は鼎談「小泉純一郎は何をぶっ壊した」。後藤謙次、御厨貴、古井由吉というメンバーで、ん、古井先生、芥川賞に還ってきてぇええ!