新創刊『エンジェル系』のセメントぶり

アイドル誌アップトゥボーイ』や突然発売延期になるアイドル写真集でお馴染みのワニブックスが、今日9月26日新雑誌『エンジェル系』を創刊した。アップの別冊という位置づけになるのだろう、ハロプロ系に染められた本誌とは差別化されたキャスティングとなっている。

エロいだけのアイドルにはもう飽きた! ピュアでちょっぴりエッチな美少女たちが、恥じらいながら水着姿を見せてくれるドキドキの新雑誌

要はアップのエロス路線っていうことですね。


エロティックな小松彩夏のしっとりビキニを表紙巻頭に置いて、元気ビキニの北乃きい、ややギャル制服で長崎莉奈、黒髪清純制服は平田薫、そして斉藤友以乃がポップな私服で前半グラビアパートを締めるという、ガチンコもガチンコの正統派な構成を持つ。モノクロ記事部を挟んで高山紗希森脇ゆかと重ね、巻末グラビアを知名度・人気急上昇の森絵梨佳でキメる。グラビア誌の王道がここで夢みられる。


モノクロ記事パートでは、グラビアを飾るアイドルたちの身辺紹介。『BOMB』の特集を1ページづつに収めたようなものだが、生立ちから趣味まで幅広くというわけではない。それぞれテーマを絞って紹介しているので、あまり興味の無かったアイドルの分も「読んでみるか」という気分にさせるのは上手いやり方。写真も散らばらせて目も楽しい。
それよりも、創刊号の陰のメインディッシュと言えるのが「ティーンモデル特集」。
ティーン向けファッション誌におけるアイドル展開というのはチャイドルブームの直前ぐらいからは知られているが、それ以前から現在までの通史は概論としてもほとんど見られなかった。今回、「A氏」が「ティーンズ誌アイドル誌として読む」スタイルが普及する以前からの概観を語ってくれている。
いわゆる「アイドル」と「ティーンモデル」とのねじれ現象を起こしているという発想は新鋭アイドルを語るうえで重要であるし、現在の「アイドル」が「グラビアモデル」化しているという指摘は鋭い。詳しくは本誌を読んでください。
ティーンズ誌の年表も、簡単なものではあるが歴史的関係を把握するために役に立つ。『melon』の矢印が止まってしまっているのが涙を誘う。目玉らしき「ティーンモデルPERFECTカタログ」は各モデルのデータに分量を裂けなかったのがもったいない。
できれば、ティーンモデル→グラビアアイドル・モデル・タレント・女優、という行く先のバリエーションと傾向についても論じてもらいたかったけど、そこは誌面の幅だろうなあ。


問題は1400円という値段か。グラビア満載ではあるけどページ数が特別多いというわけでもないし。グラビアの質はいい。紙質もいい。この分量に1400円出せるか、というのは書店で実際に手にとって確かめてみるが吉。


巻末グラビアは森絵梨佳。相変わらずクセのある尖って厚い唇と、まぶたの広さと眉形の力強さにアテられはするが、もはや主観的には心地いい。って写真集延期かよ!