『ザ・会議室』 伊集院光 みうらじゅん 山田五郎

2001年2月21日初版発行 光進社
サブカルチャーというジャンル分けがある。それについてはほとんど「名は体をあらわす」ことが無くなってきた。何を指してメイン、サブなのかは慣例のようなもので、どっちが主なんてことはないはずだ。メインが上流階級のお偉方、サブが大衆を意味しているといくらいの捉え方が妥当だろう。それにどこからがサブカルチャーで何がメインカルチャーだ、という明確な線引きも無い。あまりこのカテゴライズにこだわないことが大切なことだ。とはいっても大衆には「サブカル」の方が馴染みがある。使い勝手のよいカテゴライズであることは確かだ。
バラエティに露出している、サブカルを扱って妙味のタレント3人がフジテレビ『CX NUDE DV』という番組の「ザ・会議室」というコーナーに集まった。それを元にしてくつられたのがこの本である。テレビ自体もサブカルチャーなのでそこで「サブカル」を扱うもくそもないのではあるが。
ある議題に沿って話を進めていくという形式で構成されている。その議題も「新しい都税を考える」や「少子化対策を考える」といった社会的な問題から、「新しいキティちゃんグッズを考える」や「ドラえもんの新道具を考える」といったコミックな問題まで、やたらと広い範囲を考える。ただいくら社会的な話題を振ろうが、たとえコミックな話題を振ろうが、この三人の出す発想がくだらなすぎるので、話の筋道もくだらない方向へとまっしぐら。
例えば「少子化を考える」とは言ったものの、いきなり山田五郎が「少子化は各地の『男根神』を葬ってしまった報いかもしれない」と口走ってしまう。子どもを産んだ特典にモーニング娘。のグッズがもらえる、ということにすれば、メンバーの数の分子どもを産む夫婦が増えるのではないかなどという意見を真剣に議論する。また、月に1日を「エロday」と設定するという意見については、朝のワイドショーでは「今日はノーパンです」というテロップが流れたり、その日にちをシックスナインの6月9日に設定したり、基本的にアホ。
この企画の秀逸な点は、この会議で出た結論を、実際にそれを扱う団体、組織へ提案しに行くということだ。本当にくだらないことを考える。そのアホな提案を受けるほうも受けるほうで、至極まじめに受け答えをしているのだ。すさまじくくだらないことについて、いい大人がまっとうに対応する。本当にくだらない本である。より多くの人がこのくだらなさに触れてくれれば日本も少しは楽しくなるだろう。

いや〜、あれだね、花☆花の左って、GP-02のアトミックバズーカを顔面で受け止められるよね、確実に、お前は石崎君かって、ガッツ使いすぎだぞって、350も使いやがって、まあいいか、あいつ、ブロック以外でガッツ使うこと無い支那、ブロックしたら早々にたきくんと交代。
他人と違ったことがしたい!という方は年々増えている一方です(ソース無し)。いや、個性は大切だよ!多分。画一的なものは駄目だ!私の、僕の、俺のアイデンティティはどこにある!?ここにある!!これが個性だ!自分だ!!
そう叫ぶのは勝手です。せいぜい隣のOLに文句垂れられて、毎晩楽しみにしていた洗濯物を室内に干されるようになるような目に遭わないように叫んでください、存分に。
ただ、「他人と違ったことがしたい」という考えそのものが、画一的なものではないかと思います。
自分では他人と違っていることをしていると思っている、しかし、その観念そのものがすでに他人と同じという間抜けぶり。その点、花☆花の左は偉い。意識しての所作じゃねえもんなぁ。