上野未来『MIKU』 撮影・野村誠一

上野未来(うえのみく)は熊本出身で今は宮崎に住んでいる。私自身が宮崎の出身なので、どうも親近感を抱いてしまう。ファイブミニのCMで一躍有名になった…、はずだが、一般での知名度はまだ低い。
去年の一番の写真集は? と訊かれたら、後藤真希のソロ写真集をあげる。では今年は? と訊かれると、まだ4月に入ろうとしている段階ではあるが、この写真集をあげることになると思う。
ハワイでの撮影だ。だからといって「コバルトブルーの空」や「エメラルドグリーンの海」というようなものは抑えてある。上野未来を包んでいるのは、木々の緑である。
上野未来はガタイがいい。本人は気にしているのかもしれない。
上野未来は美少女! というわけでもない。かわいいことにはかわいいが、たまに隙を見せる。ぶちゃいくな顔を見せるときもあれば、ガタイのよさがストレートにでていることもある。
ぶちゃいくな顔になるときは、ほとんどが顔の垂直面から下にカメラがあるときだ。鼻がやや上を向いているからだと思われる。ぶちゃいくとは言え、そこらのアイドルなんかには負けない。ただ、よく写った時のかわいさが度を越えているために、比較的ぶちゃいくに見えてしまうだけだ。
アゴはキレイに整っている。ほほにやや肉がつきやすいのか。えらがはっているわけでは無い。しかしほほの肉によって、5角形に近い輪郭を持っている。狙っているのかはわからないが、この写真集では(風の勢いを除いて)全ての写真で髪が耳を隠している。ついでに輪郭もシャープに見せている。
水着も無いと思っていたが、あった。これは予期せぬ収穫。しかも水着への導入がいい。青いキャミソールと青いロングパンツでの写真が4ページほど続く。「これくらいの露出が限界かな」と思わせといてページを開く。すると見開きでロングパンツを脱いだ上野未来が待っている。
前回の写真集では、ビキニで真正面からの立ちショットがなかった。今回は数が少ないにしろ、いや、これくらいがちょうどいいのかもしれないが、ビキニでの正面写真もある。
そして、なにがいいって、一番いいのは、カバーである。
全体的に緑がかった暗めの写真だ。電柱か壁かだか顔を出した上野未来。まさにベストショットである。文字もごてごてしていなくて見がいい。白いノースリーブのハイネックが、顔だけを浮かばせる。 端正な顔だ。写真集本体にも同じ写真が収められているが、こちらはやや明るい。やはり暗めの方が彼女の顔の持つ危ういバランスを中和してくれている。
さて、危ういバランスの顔のアイドルといえば、内山理名が頭に浮かぶ。この2人は目と鼻が似ている。ただ似ているのは形だけで、上野未来のほうがややパーツが大きめだ。上野未来内山理名の方向へと向かうのだろうか。