野村恵里 『野村恵里2002カレンダー』 撮影・桜井仁 

ひと昔前、セブンイレブンのCMと言えば、新山千春だった。 ジャングルテレビにも出始めていてなかなか人気も出てきた、ホリプロ期待のアイドルだったはずだ。今はほぼ同期の優香や深田恭子に水をあけられたとは言え、バラエティではおなじみのアイドルである。
その新山千春からセブンイレブンの顔を奪ったのが、野村恵里である。ある日テレビで流れるセブンイレブンのCMに、新山千春と、あとひとり、女の子が出演していた。ピーターパン役がなんちゃら、のその子が、野村恵里だったのだ。しばらくすると、セブンイレブンのCMに出ているのは、野村恵里ひとりになっていた。
そこからブレイクして…、とはいかない。今でも、一般的な知名度は低い。セブンイレブンの女の子と言われて、あーあの子ね、となんとなく分かるという調子である。ホリプロはその規模の割に助走が長いアイドルが多いのかもしれない。じっくりとしっかりとアイドルを育てているということか。平山綾も、酒井彩名も、ある程度の知名度はあっても、ブレイクと言う程度ではない。
しかし、目立った活動がCM1本とは言え、何と言っても、「セブンイレブン」の顔である。事務所の力云々でも、その中での競争を勝ち抜いて手にしたものだ、野村恵里はたいしたアイドルである。
彼女の魅力は、元気。「元気」が売り物のアイドルなんてはいて捨てるほどいる。捨てるくらいなら私が欲しい。しかし捨てられることも無く活動を続けていられると言うことは、その元気さがちゃんとウリになっているということだ。頭の悪い元気さではない。だからといって、知的な元気さ、というわけでもない。純粋な元気さ、これが彼女を表す、簡単なひとことである。
そんな純粋な元気さ、を感じられるのはやはり、セブンイレブンのCMだろう。そこで、もう一歩、野村恵里を深めたいと思う方には、ソロイメージビデオがお勧めされる。高い、それに恥ずかしい、という方には、カレンダーがお勧めされる。
2002年カレンダーでは、表紙を含め全7枚のうち、6枚が元気な笑顔を見せてくれている。やや笑顔が硬い気はするが、これも、自分の魅力を伝えようと言う気持ちの表れである、頑張って、自分の魅力をより分かってもらいたい、という気持ちの表れであると捉えられる。
お勧めの一枚は、1、2月の写真。この1枚だけは笑顔ではない。ふとした表情、「思い」の表情である。ちらっと見ると、野村恵里とは分からないかもしれない。それほど彼女にはセブンイレブンの元気さのイメージが強い。しかし、分からない、けど可愛い子、という印象が激しく感じられる。水着姿で、普段の私ならそちらのほうにこそ目が行くはずだ。だが、これは水着が見たい!と強く、意識していなければ、水着には目が行かない。表情に惹かれる。
笑顔からにじみ出る純粋な元気さ。それとのギャップでふとした物思いの表情が強く人をひきつける。「元気な」野村恵里をだけを見ている人はまだ彼女を魅力を全て受けてはいない。ブレイクしきれない原因はそこにあるのだろうか。