「あずみ」けなして悪かった

昨日、「あずみ」を実写化失敗例として挙げたけど、どうも気になってTSUTAYAに走りレンタルしてまいりました。いや、これ単純に面白いじゃないの。どうして劇場で観た時はつまんねぇなと思ったんだろう? 要因はいくつか今すぐ思いつく。一つはアイドル上戸彩主演のアイドル映画だという視線で観たこと。やっぱアイドル映画ってのはその子の魅力を引き出してなんぼだからその意味ではアクションとか原作とかもろもろの設定環境に引っ張られて、アイドル映画としては中途半端なアピールしかできなかった。たぶんに北村龍平が監督したアクション映画っていう触れ込みがあったから、アイドル映画ってわけじゃないんだろうしそもそもの私の視線がやや的外れだったのかなという気持ちもある。けど、まぁアイドル上戸彩を使った映画なんだしね、もともと3年B組金八先生とかで演技派アイドルって売ってたしねぇ、女優系アイドルの急先鋒だね、こりゃ。田中麗奈広末涼子池脇千鶴とかが続々と「女優」と化してる今となりゃ、女優系アイドルのトップといっても過言じゃない。
もう一つは、やっぱ小山ゆうの「あずみ」原作が頭にあったってことか。やっぱり上戸彩に出来ることと出来ないことがあるんだよ、当然。これは誰を責めるってわけでもない、漫画と映画の「あずみ」は限りなく似ているけどもやっぱり違うもんなんだ。この二つがとりあえず私が劇場で期待して裏切られたところ。
んで、これをふっつーの娯楽映画としてみると、なかなか悪くない。144分もあるはずなのにそこまで長ったらしい印象はない。私はほとんど登場人物とかの設定を覚えきれない半端な記憶力の持ち主なのだけど、もともと背景がそこまでかかれていないために問題ない。その弊害としてあずみの仲間の男キャラが全員同じに見えてしまったがあまり関係ない。しばらくするとそれなりに人間関係も書かれだすししかもかなり分かりやすくやってくれるので安心して観れる。殺陣のシーンはそんな迫力ないけど派手さならその辺の時代劇よっかはあるから、エンターテイメントとしては十分。登場キャラもやりすぎなくらい個性的に演じられちゃったので、とにかく分かり易さなら近年まれに見る映画である。
とまぁそんな映画分析よりも、注目すべきは上戸彩岡本綾のあや共演だ。現代アイドル界の「あや」といえば、上戸彩岡本綾のほかに、平山あや松浦亜弥と黄金のカルテットを形成してしまうが、なかでもかなり女優よりの岡本綾は影が薄い。むかしはシャンプーのCMでかなり騒がれてたんだけどね、一部で。でも、さすが女優さんとも言える演技のうまさ。毎回体当たりで演技しつづける(ひとなつのパパ? 何それ?)上戸彩とは異なり、岡本綾は持ち前のしとやかな表情で余裕たっぷりといった感じだ。レイプされかかる場面も難なく演じきる。そりゃ体当たり演技の上戸彩が目立つのは当然だけど、岡本綾も成長してます、確実に。