文学フリマで買った本の話

『Re:Re:Re:』vol.2を読んで思ったこと。書評ではなく、感想
私は新幹線の走っていない宮崎の出身で、九州外に行くときには大阪に行くにも東京に行くにもフェリーか飛行機なので、とにかく新幹線に縁がない。去年、九州新幹線の「つばめ」が走り出したが宮崎には当座関係ない。新幹線よりもむしろリニアモーターカーの方に親しみがあったんだけど、それもだれかさんのせいで失われた。いまの宮崎のこどもたちには新幹線もリニアも生まれていない。
新幹線は憧れとも現実とも違う存在だった。言うならば東京タワーや上野動物園のようなもの。とりあえず見てみたいもの。とりあえず見るもの。見て、おおー、っと。それ以上の感慨はない。それでも、おおー、という想いを抱いてしまう。電車に乗っていて品川あたりで新幹線に抜かれていくと、窓に体をよじりつけて見入ってしまう。んでお互い通り過ぎていってしまう。
乗る、作る、作られる、という新幹線をめぐる感覚。アイコンとして様々に読み込まれていく新幹線の姿を突き放して見ていける時期になったんじゃないだろうか。そして新幹線は憧憬からツールへと変遷する。新幹線、外から見るか中から見るか。外から見る憧憬、中から見るツール。