本の雑誌「ダ・ヴィンチ」

ダ・ヴィンチ』で「『のだめカンタービレ』大特集」、音楽が題材の漫画、その特集とはいえあくまで漫画として『のだめカンタービレ』をピックアップし、音楽のほうへ浮気をしない「ダ・ヴィンチ」のしっかりとした編集方針に好感をもった。
だけど堅気な編集方針に気がいっただけで、面白いかどうかといえば別の話。未読者を射程に入れなければならないから、もの足りなさは出てくる。それに加えて、基本的に「読者アンケート」のたぐいはよほどネタを仕込まないと面白くともなんともない出来になってしまいがちで、この特集でも例外ではない。ラブコメの要素を取り込んでいるから、「あなたは本当にのだめ&千秋を愛せますか?」というアンケート項目もわかるっちゃわかるけれど。
とはいえこのもの足りなさは、未読者への配慮と音楽ネタに突っ込みすぎないというギリギリの枷のせい。いろんな人を引っ張ってきて語らせる「ダ・ヴィンチ」の手法は活きている。
このタイミングでホリエモン堀江貴文『のだめ』を語る! アレレな内容かと思いきや、「専門職系」のマンガを愛読しているというくだりで、「(物語を作る立場の人は)引き出しがあればあるほどいいですよね」と述べる。「専門職系」マンガが知識をどのように提示していくかという問題は重要だ。ホリエモンは単に「深み」がどーこーの話題に行っちゃったからアレレだけども。結局アレレ。
ほか、加藤夏希も「ハマっている」著名人として登場、相変わらずおたくキャラを強調しています。
著名音楽家の読者としてはバラモスブロスの中の人岡本知高、アルパ奏者の上松美香、このふたりのマンガを通しての自分語りが面白い。特定のシーンを挙げて自分へ投影する、という手法は読書感想文の主流。佐渡裕あたりに全巻送りつけて感想書いてもらったら面白かったのに。いや、どうせなら、宇野功芳に読んでもらって一言いただくことが最上の策かつ至福のひと時を過ごせたのであったはずだといえよう。
ほか、山本直樹おおひなたごうが描く『のだめ』、とくにおおひなたごうの『ちあきカンタービレ』はくだらなすぎる、すばらしい。
よく分からなかったのが「音楽関係者が選ぶリアル千秋様!」という企画。1/4ページで控えめに繰り広げられる。選考経過なんかはまったく抜きにして、金聖響がその座に輝く。まぁリアル電車男山田孝之っていう時代ですからねぇ、イェイ! いや、金さんと言われても異論は無いんだけれど、金さんも選ばれて困惑気味。
ドメインパーキング」 金聖響公式blog
ちなみにAmazonリストマニアでは、『のだめ』関連の音楽紹介が盛んです。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/2ZOIQ97ZHXNLY/ref=pd_pym_lm_1/250-3284978-2618658
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/ZAC237A655DZ/ref=pd_pym_lm_3/250-3284978-2618658
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/D7QOD94UO60I/ref=pd_pym_lm_5/250-3284978-2618658
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/3DTXX9TA9IDLL/ref=pd_pym_lm_7/250-3284978-2618658
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/1BCVNI9JKDVHJ/250-3284978-2618658
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/GIX247YO1XAH/ref=pd_pym_lm_4/250-3284978-2618658
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/2GGDWZV85XTGO/ref=pd_pym_lm_8/250-3284978-2618658
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/listmania/list-browse/-/3PFV4DW2RH9ZL/ref=lm_ol_6/250-3284978-2618658

ほか、のだめ関連サイトたち

Tomoko Ninomiya 作者公式
http://cc.vis.ne.jp/index6.html
http://classic.heartlogic.jp/
のだめカンタービレ クラシック作品辞典
http://maron-guriano.air-nifty.com/


次号の特集は「バカブックガイド」、昔読んだあの名作のストーリーは…、なんかタイトルだけで中身を創作する企画などあるらしいです。『やっぱアホーガンよ!』のストーリーとか出てくるのかな。