実況文化の内輪万歳 野菜氏ね・黄色www

最も心地よく手軽に笑いなどの感興を生むのは「内輪」という枠作りであって、いかに「内輪」枠や「共犯関係」に受容者を持ち込むかというのは極めて重要な課題なのではないかと思う。あるあるネタもここか。
というわけで、実況スレにおける定番レスも、そういう内輪感を強く生み出す麻薬になっていると考えたいの。以下、狭い狭い管見のうちの例示。
たとえば「実況三大氏ね」、つまり、「笠井氏ね」「元木氏ね」「ピンク氏ね」など、彼らが出演もしくは発言した瞬間にこれらのレスが爆発的に付けられる。こういった単発的な定番レスには、マジレンジャー実況における「野菜氏ね」「パンツ見えた」「黄色の腰www」という時代劇や特撮・アニメでのお決まり展開への言及。ほかに、レミオロメン『粉雪』放送時の「こなあああああああああゆきいいいいいいい」レス、「めざましテレビ」のドリカム曲放送時のサンシャインAA、「ぶちぬき」開始時の「自転車焦げ焦げ」などBGM・音楽に対する反応レスが挙げられる。
また、各自がネタとして付けてくるお約束レスに、NHKのど自慢の「○○枠」がある。のど自慢は出演素人の「キャラクター」があまりにバラバラなために、意図的に「キャラ」で枠が決まっているのではないかという演出姿勢への疑問から生まれたと考えられるが、たとえば女子校生が出てきた場合は「jk枠」「制服枠」「パンチラ枠」、介添え付きのジジィが出てきた時は「冥途の土産枠」、ゲストの曲を歌うオバハンが出てきた時は「ゲスト枠」などとレスが重ねられる。これらはレスを付ける人それぞれが、これまでの前例などを踏まえて思い思いに考案する、定番レスとはわずかに異なる性格を持つ。
ほかには、ある定番レスに対してスレ住人がお約束のレスを返すという事例が見られる。「N響アワー」実況における、「クラシックなんて時代遅れの音楽を聴いている低脳どもが……」という調子のレスに対しての、「いつもの人キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!」というレス。始めの発言を単発で見た場合には、単なる煽りにしか読めないが、実況が重ねられるうちに定番の煽りとしてネタ化した好例であると見られる。


実況スレというのは基本的に素早く落ち、また補完も面倒なために、リアルタイムでしか楽しむことは難しい。それでいて毎週などの定時定刻に同一の実況対象が行われ実況スレも立てられることが多いために、より内輪性が増すのではないかと考えられる。これはスレ消費の異常に早いVIPで定番レスが生産・消費されやすいのと同じ要因じゃないのかなあ。
ま、実況はほどほどに、と。実況板が無ければ人生はもっと有為になるだろう。なんて依存度の高さ。