モデルの水着とアイドルの水着

前号巻末の予告で、『KING』8月号に男性誌初ビキニの女性誌モデルが登場するから買えよな! ってテンションの煽りをされたので、買った、けども。


表紙巻頭と道端ジェシカをメインに据えて「男性誌初ビキニ」と銘打たれても、居心地の悪さを感じてしまう。新潮社の月刊シリーズに出といて、『KING』という未だに座席のふわふわした雑誌で、「男性誌初ビキニ」は間違っちゃいないんだろうし理屈じゃ正しいんだけど、ねぇ。
他には紗耶、大屋夏南、森本クリスティーナ、そしてナタリーというブラジル美人。モデル感を出すためなのか意図的と思える脱日本人なラインナップ。確かにお綺麗なんだけど、僕が「水着」だの「ビキニ」だのに求めるものとはかけ離れている。
女性誌のモデルが水着だって言われたから、ミドルティーンファッション誌モデルのビキニグラビア、しかも男性誌視点のグラビアを中心とした神懸かりの雑誌が手にできるもんだと夢を見過ぎていました。
巻中にある、一人半ページのみのアイドル競泳水着グラビアでいかに心躍ったか。競泳水着は濡らしてなんぼだと思ってはいるけれど、今号の『KING』の中では濡れてもいないし見せ方に困りそうな競泳水着グラビアに頼もしさを感じた。
もはや堀田ゆい夏のウンテイ模様(着衣)が一番心引かれると感じられるような、価値観のハードルを動かされる微妙な雑誌でした。連載グラビアの「妄撮」を衝動的に探してしまうほどに、アイドルグラビアに飢えを覚えさせられる。今号は原田麻衣、控え目な尻と強気なフトモモの統一感が何とも心地よくエロ。尻とフトモモを分け隔てなく昇華して新たなる肉欲部位を生み出した。シリモモとでも言えばいいだろうか。
女性誌モデル」さんのグラビアには常に上位からの視点があって落ち着かない。身体も均整を破壊するほど均整がとれていて、愛欲の対象にするにも性欲の対象にするにも、気合いを入れ直さなければいけないようなスタンス。お姉様を求めるマゾっぽい感覚とも異なる断絶感。「ツン」も「デレ」も自分には想像もつかない全く別の性質として噴出されそうな不気味さ。アイドルに対する、憧れとも上位感とも違う立ち位置の相違。
それなら素直にシリモモの方が嬉しい。ニッコリ笑ってくれて、撮り方次第でアイドルに見せてくれる、ミドルティーン誌モデルの方が待たれる。
モデル撮りをされるモデルたちが、男性誌視点のグラビア撮りをされたときに何が現れるのか。今やモデルとアイドルは表裏一体なんだから、ストレートにそれを見せてくださいよ、と思っていたら、来月号は「いい女」特集との煽り。
クエンティン・タランティーノと4人のグラビアアイドル」には期待していいんだな、女性誌カバーモデルスペシャルとやらには今度こそ期待していいんだな。
せっかく新機軸の男性誌を突進んでくれるのなら、僕らに嬉しい不意打ちを食らわせるようなグラビアをお願いします。次号も買います。