月に叢雲、花に風、線路に障害物

ここ2,3年のことだと思う。JRの運行情報が車内アナウンスや電光掲示板で頻繁になり、目に耳に入るようになった表現が、「○○線は線路に障害物の影響で遅延を生じております」。不意に目の覚める違和感。眠い頭を覚まさせるJRのサービスかと小躍りするぐらい。
「線路に障害物が置かれた影響で」ならまだしも、「線路に障害物の影響で」ということは、「線路に障害物」という部分が名詞句としてJRオフィシャルに認識されているようだ。
「線路に障害物」と言う場合に、「線路に障害物(が置かれた)」の省略形であるということが一般的に認知されているという判断がなされたのだろう。そしてオフィシャルに明示されることにより、「線路に障害物」は更なる一般化の道をたどる。
「障害物」が「線路」における風物詩であり、「障害物」は「線路」に付き物であるという、JRの慣れが感じられる。