三省堂「自遊時間」

先日、三省堂本店の文房具コーナーが無くなるというお知らせをみて、どうしたんだろうと思っていたら、駿河台下三井住友銀行後に移転した。
http://www.books-sanseido.co.jp/120thssd/kanda/kanda_top.html
これで神保町界隈には「ふくろうブックステーション」http://homepage2.nifty.com/teiyu/info/announce_fukurou.htm に続き新刊書店が誕生となる。

「自遊時間」はカフェも並列、もちろん三省堂書店というわけで書籍も置いている。まぁいわゆるおしゃれ本屋さんってな感じだけど、神保町という立地だからお客さんはサラリーマンとか学生が中心。別段、あれ場違いだな、という印象はどの層のお客さんも受けることは無いと思う。
店内ではゆったりとした配置、という言葉がしっくりくるくらい棚と棚の幅が取られている。壁に沿わせた棚は2メートル級だけど、通路をつくる本棚はそんなに高くはない。店内もすっきりとしていて、ヴィレッジバンガードのようなごちゃごちゃ感はない。書籍スペースと文房具スペースは分かれている。並列カフェはとりあえずしきりはあるけどドアも開放していて、ひょいと利用しやすくなっている。
本店のワンフロアが一回りくらい小さくなったくらいの店内面積、そんなに狭くは無いのだが、本が多いと言う印象は受けない。新刊本以外は、「食・旅・道・楽」というテーマに分けて配置されている。こうやってると従来の近隣ジャンルだけではなく、遠いジャンルでも例えば「食」というカテゴリでまとめられているから、新鮮な本を手に取ることもできる。
面白いなと思ったのは、棚の目線の高さの位置に、表紙を前にして書籍・雑誌を配置していることだ。ふつう、なるべく多くの本を常置したいから背表紙を前にしてつめつめに詰める。だけど、ここは表紙を前にしているから、置ける本の量は少なくなるけど、見た目、ものすごく興味を引きやすい。これは三省堂本店がすぐ斜め向かいにあるからできる芸当だと思う。新しい興味を開拓すること、興味の幅が広がること、そういった目的を掲げているのなら、なかなかイケてるじゃねぇかよコノ! ってな感じだ。
ただ、だからといって別段に独特の本揃えってわけでもないし、文房具屋と本屋がただ同じフロアにあるだけっていう、文房具屋に行くことはないから本屋さんに来たお客さんを引っ張ろうっていう、そんな印象を受けた。折角同じフロアにあるんだから、折角「日本一の蔵書量を誇る」本店がすぐそこにあるんだから、もっと遊んでもよかったんじゃないかなーと思う。