平田薫写真集『卒業』全ページレビュー

「ラスト制服」を掲げた平田薫のセカンド写真集『卒業』。制服がラストということにどれだけ価値観を持たせることができるんだろう、と不審であり不安だったのだけど、即座に払拭する質の高さに腰を抜かした。
制服からのアンダー水着、いわゆる「パンチラ風」カットは皆無。寸止め感覚溢れる魅せ方にも関わらず、もどかしさよりも直球の制服エロスを覚えるのは何故だろう。
清純派、端正な顔立ちを持つ平田薫が制服にまとわせた「美女」という雰囲気が、制服を着崩すだけで魅せる背徳感。定番とも思えるど真ん中な攻め方に価値を見出せるグラビア界に感謝していいのか憂慮していいのか。
ここは感謝しておこう。ありがとう! 少なくとも直近5年に発売された写真集では屈指の出来栄え。以下、全ページレビュー。数字はページ数。

平田薫写真集『卒業』

平田薫写真集『卒業』

  • 表カバー ずぶ濡れ透けたブラウスの胸元を大きくはだけさせて、満ちた谷間と下着調の白ブラが心を誘う。さらに誘うは平田薫の力を抜き流してくる目線。
  • 表表紙 セピア色に佇む。胸元のゆったりと浅い谷間よりも、放心気味の表情に気が行く。
  • 表見返し グラウンドを笑顔で駆けていく平田薫。三つ編み+制服の力強さを現代に蘇らせた記念碑カット。
  1. 満面の笑みで駆けてくる平田薫。無垢な笑顔+三つ編みから写真集本編のエロス路線が続くとは。
  2. 見開き。グランドに直立し目をつぶり太陽を向く。スカートからの肩ヒモが緩く波打つ様に制服姿の本質的な危うさを感じる。
  3. (前頁と見開き)
  4. 「卒業」とタイトルカット。三つ編みの顔アップ。凛々しい眉と視線の持つ端正さに惚れる。
  5. 半身に見返る。三つ編み+制服ミニスカのアンバランスさがエロさを強靭に印象付ける。相変わらず緩い肩ヒモのドキドキ感は保たれたまま。
  6. 蛇口から水を飲むアイドル定番カット。口をすぼめる擬似キス表情も、気持ち笑顔ベースのために無垢さが更に強調される。
  7. 体育倉庫のドア陰に立つ。体育館の裏、体育倉庫も学校の定番シチュエーションの王道。しっかりと伸びた肩ヒモは、かえってブラウスから突き出る胸の感触を引き立ててしまう。
  8. 口に残る水道水を指でぬぐう顔のアップ。真正面から見据えるカットはこれが初めて。一気に読者の気持ちを引き込んでくる。
  9. 体育倉庫のドア陰で背伸びをし目をつぶり唇を差し出す。ドアで隠れて口先が何に触れているのかは見えない。キスをイメージさせるベタなカットだけど、さっきの隣ページの直視に惹かれて心をぐしっと掴まれる。ドアにかけた右手の指に入る力具合が見所。
  10. マットに座り片ヒザを立てる。スカートの中身は立てた右ヒザに隠されている。右フトモモはこれからの展開を期待させる肉感をチラ見。
  11. 完全にマットに寄りかかる下半身のみのカット。艶やかささえ漂うフトモモ裏、ふくらはぎ裏の肌感触。
  12. マットに寝そべる上半身を見開きで。ついに肩から外れ落とされる肩ヒモ、そして襟元のリボン。制服が乱されていく明確な予兆。
  13. (前頁と見開き)
  14. 一転し、海岸で満面の笑みで駆けるワンピース姿の平田薫
  15. 海岸の草陰でワンピースのお尻をめくり挙げてパンツの食い込みを直す体勢を前面から。見ていることを非難しているかのような険しさと動揺を湛えた視線。
  16. ヒモビキニで海岸に座り込む。痩せ過ぎではなく肢体の肉感が十分に感じられるプレシャスボディ。胸の谷間から腹部の緩い膨らみ股間への一連の肉質に心躍る。
  17. ビキニ姿の四つんばいをバックから。ビキニからハミ出る尻肉にまとわりつく砂の感触も素敵だけど、ビキニの緩さを表すシワ具合が夢を見させて果てが無い。腹部の肉感も共に味わえる素敵カット。
  18. 海岸をはしゃぎまわるカット4つ。
  19. 笑顔で見上げる顔アップ。端正さの中に持つ目の垂れるギリギリさの塩梅に、水着で魅せる谷間に素直に目線を送れない心地よい後ろめたさ。原田夏希仲間由紀恵と近い端正さだけども肢体の肉感は平田薫の方が断然優れている印象。
  20. 白ビキニで身体をよじる最高クラスのカット、となったろうに、憎い見開きの悪い見本のように、股間部分がちょうどページのはざまに埋もれている。勿体ないことこの上なし。
  21. (前頁と見開き)返す返す勿体ない。
  22. ベージュ水着に着替えて、石塀の上で身体を伸ばす。背中部分がバックり開いている水着のため、弓なりに反らせた背中〜腰と、突き出された尻の凹凸差に身体のしなやかさを感じたい。
  23. 木陰でややとろけた視線をカメラへ投げる。やっぱり仲間由紀恵の1st写真集の印象が重なる。
  24. 股間から上半身を捉え、ベージュ水着の全貌を味合わせる前面カット。笑顔を抜いた表情も憂いながら美しい。何よりも水着の縁が乳房に薄く食い込み加減の肉感を谷間と共に堪能する。
  25. 石塀の用水路をまたぎしゃがみこむ体勢を真正面から。しゃがみ股間を前面からというのは水着エロスの定番中の定番とはいえ、やはり端正美女が実践すると桁が違う。ここまでしてくれるの、という期待を超えた喜びが混じり出す契機。
  26. ベージュ水着で岩場に寝そべり濡れる全身カットを見開きで。こちらの見開きはページ間で重要な部位が潰れているわけでもなく、全身カットの存在感を示すメルクマール。寝そべりながらも寄せられる乳房や、薄く盛る股間もプレシャスだけど、ここは気持ちよく目をつぶる表情に心を惹かれてみたい。
  27. ワンピース姿で草原の中、自転車を押す。見開き。
  28. (前頁と見開き)
  29. 倒された自転車のカゴに寄り添い、企み照れるような笑顔を向ける。
  30. 草原に寝そべる4カット。凄まじさを覚えるのが左上のカットで、ワンピース姿で寝そべりヒザを立てている様子を足元から撮っている。つまり、足の置く角度によってはワンピースの中身が見えてしまう正直なカメラ位置である。ここで安易にワンピースの中身を見せない姿勢は写真集の品格をエロく保つ好演出ではあるが、見せてくれてもいいじゃないかと憤りを隠さないでもない。
  31. 草原に寝る顔と腕。脇フェチのためのカット。
  32. 草越しにこちらを見つめる平田薫
  33. 再び三つ編み+制服に戻り、山道に立ち何故か満面の笑みを見せる。次ページと合わせて見開き2ページで3カットを掲載。真ん中は後姿で海を見る立ち姿。
  34. 妖艶な笑顔であばら家に入っていく。明らかに誘っている態度。これまで保たせてきた清純派のイメージを揺らしにかかってきた。
  35. あばら家で少し高めの机に腰をかけようと背伸び加減の平田薫。先ほどの誘い笑顔と裏腹に「背伸び」を体感と共に内面に湛えている印象は、消えた笑顔へ差す陰が示す不安と相まう。ブラウスのボタンの継ぎ目から見える腹部の生肌。
  36. 笑みを消して見つめてくる顔アップ。
  37. ブラウスを脱ぎにかかる胸部のアップ。ボタンとボタンの合間からはブラの継ぎ目と乳房が作りかけている谷間が見える。
  38. 制服姿を乱して机に横たわる。この写真集の肝カットのひとつ。足元から写しているが、当然股間はくるぶし付近で隠されてはいる。加えてピントはボケている、とはいえ、これらの不利を何ともしないフトモモの圧倒的な圧力と、観念したように目をつぶる向こうに見える平田薫の表情。両フトモモの間に夢を見る。
  39. 見開きでスカートとブラウスをたくし上げ寝そべる。腹部とフトモモは完全にあらわになっているが、当の腹部が見開きのページ間に埋もれていて勿体ないカットになってしまった。
  40. (前頁と見開き)
  41. ブラウスの胸元がはだけられ、豊満な乳房が谷間も作らず独立して盛られている。下着に食い込む乳の肉感。
  42. ブラウスを完全に脱ぎきり、片ヒザ立ててこちらを見据える平田薫。ブラジャーからこぼれそうな胸肉が見事。くるぶし上でピッタリと止まった白ソックスがフトモモの際をいやらしく演出する。
  43. あばら家の外から寝そべる平田薫を覗き見る。
  44. ブラ姿で脱ぎ捨てられた靴を拾い寄せる。
  45. 上下下着姿を脱いだブラウスで透けながらも隠す平田薫。少し強めな視線を投げてきている。
  46. さらに鋭く強い視線のアップ。
  47. 沖縄ソバらしきものを食べる3カット。
  48. 自転車に乗りこちらを笑顔で振り返る。
  49. ヒモビキニで岩場を背にするグラビア王道カット。
  50. ビキニで四つんばいになる女豹系定番ポージング。
  51. 見開きで岩場に仰向けに寝そべる。顔にピントが合わせられている様子で、端正な美人が力を抜いた表情を魅せるのは適度にいやらしく感じる。
  52. 仰向けの上半身のみ。この黒ビキニはバストアップを効果としないタイプらしく、胸の存在感はそれほどない。
  53. ビキニでの立ち背面。小さめのビキニから強制的に現れる尻肉はもちろんのこと、平田薫の全身に薄くまとわれた肉感こそがこの写真集のエロさを強めている気がしてならない。
  54. 何故か突然、サラシ姿になる平田薫。髪は後頭部にお団子としてまとめている。祭りの装い。
  55. きつく締められたサラシから生まれる胸の谷間を味わう4カット。
  56. ヘアピンを口に加え、髪を結いなおす。この写真集では見られなかった真剣な表情が力強い。その分、胸の谷間へのギャップも生まれてくる。
  57. 髪を解き緊張の解けた表情。
  58. そしてサラシは解かれる。サラシから覗くのは下着。ランジェリーOKなのもすごいなあ。
  59. 一糸まとっていないであろう姿になり濡れる平田薫。表情からはすっかり力強さは消え去り、犬系の媚びを漂わせる。
  60. 乳白色の風呂に入浴する見開きカット。見開きどうこうは置いておいて、胸の部分が都合よく見えなくなっているのは作為感があり気が進まない。
  61. (前頁と見開き)
  62. 浴槽から出た上半身カット。胸の先は右手に隠されて見えないが、ゆったりと盛る胸肉はそれだけで満足。逆光気味に陰っている表情は見づらいが、ふとした軽い驚きを潜めていて想像が広がる1枚。
  63. 再び湯に浸かるバストショット。湯に薄く盛る乳房は、すっぴんの表情と併せると照れがある。
  64. 机に寝そべる制服姿で見開き。見開きで顔が隠れてるっていうのに。
  65. (前頁と見開き)
  66. サプライズの眼鏡姿。制服メガネ。メガネフェチでなくとも、平田薫の顔にメガネはよく似合う。優等生役としてベタベタなぐらいの端正さ。
  67. 陸上ユニフォーム姿で校舎入り口の階段に座り靴を履く。陸上姿の見どころはフトモモと脇から覗く内肌にかかっている。
  68. 陸上シーン4カット。躍動するフトモモ、というほど躍動感があるわけでもなく。
  69. 制服で高いところのものを取ろうと背伸びをする姿。手を伸ばせば当然おなかがチラりとするわけで、王道ポーズではあるものの改めて平田薫にやられると腹部の肌は当然ながら、ヒップのふくらみが作るスカートのラインとフトモモが実際に伸びてくる出どころの差に見えないヒップを想像するんだぜ。
  70. 私服でマイルームへ。5カット。
  71. 私服を脱ぎ出した平田薫。目線を外しているのが分かっちゃいるけどいじらしくいやらしい。今度は下から脱いでいるため、下はパンティ姿。上も脱ごうと手をかけている。緩めの下着の生地のやわらかさが好きだ! そこが好きだ!
  72. 服脱いでいく過程を3カット。スカートに手をかけるときの憂う表情と、上着を脱ぎ去るときの笑顔のアンバランスがたまらない。
  73. 下着+キャミソールでベッドに寝そべる3カット。この写真集のプレシャスカットの1つが、下のカット。横身に寝そべる平田薫を足元から。当然下着の下半身がバッチリと撮られ、緩めの下着が危うさを三倍増。
  74. 上も下着になってしまい、目線を外しながらも笑顔の寝そべりカット。ただし見開き。もったいなけれど、左ページの笑顔のナチュラルさは今作一番。
  75. (前頁と見開き)
  76. 上下下着でヒザを抱きかかえるように寝る。下着なのに靴下は脱がないというこれまた定番のお約束。上になったフトモモをより強く内に締めて、ビキニが見えるように配慮しているのもグラビア定番のお約束。お約束尽くしだがど真ん中で質の高さを見せつける平田薫
  77. 遠くを見やるブラ姿の平田薫のバストショット。
  78. 自転車置き場で私服。
  79. 髪を散らしながら挑発的な視線を向けかける。エンドクレジットとキャスト、奥付。
  80. ここからはボーナストラックか。どのカットも素晴らしい。まずは制服姿で椅子の背もたれに立ちかかる。現実にこういった場が学生時代に過ごせていたはずなんだけど、という郷愁と取り返しのつかない後悔の念。
  81. 同じく制服姿で石塀に座りかかり、スカートのすそを手で軽く持ち上げる。フトモモの質感云々よりも、そういったポージングを採ってくる挑発的な平田薫の姿勢が頼もしい。視線を軽く外しているのも快い後ろめたさ。
  82. 反らした視線を再び向けてくる平田薫。端正な表情も残りわずか。制服姿も残りわずか。惜しさを味わうのは、学校を卒業してしまった後だからこそ分かる、あんな恵まれた空間がこの世にあったのか! という後悔に結びつく。だからこそこの写真集で思い出そう。味わおう。
  • 裏見返し もしかしたらこれがベストカットかもしれない。制服姿で駆けていく平田薫の後姿。後姿にもかかわらず弾ける魅力は、写真集を通して熟成されてきた平田薫自身の魅力が強く荒縄、しめ縄ぐらいの糸を引いていることは間違いないにしても、それに加えて、走り行くフトモモの裏の肉感こそが陰の主役であった。制服だからこそ必然性があり違和感無く受け入れられるミニスカという要素。それが生むのはフトモモの真髄。イエスです。
  • 裏表紙 かなり乱された平田薫。これはどのカットと同一なんだろう。このシチュエーションを本編でも出して欲しかったけれど、それだとやり過ぎだったのかな。寸止めの演出はここでも健在。
  • 裏カバー 制服姿で体育座り。ここでもいわゆる「パンチラ」を見せないところにこの写真集のこだわりを味わう。寸止めで読者の心を惹ききったスタッフと何より平田薫の魅力に脱帽する。もちろんフトモモの魅力はここにもあり。